620301-1 岡山県/がま こしご(背負いかご)
鳥取県と裾野を分ける岡山県蒜山(ひるぜん)地方には、
今からおよそ600年以上前から伝わる「がま細工」があります。
漢字で「蒲(がま)」と書くこの植物は、地名などにも使われているようにとても身近な植物で、北海道から九州地方まで広く分布しています。
蒲鉾(かまぼこ)や蒲焼(かばやき)という言葉も、がまの穂の形が特徴的(大きなソーセージのような形)であり、その形状にそれぞれが似ていたため、その名がついたそうです。
蒜山がま細工では「ヒメガマ」という種類を使用し、今でも暮らしの道具が作られ続けています。
本来ヒメガマは湿地に自生するものですが、
こちらのがま細工を編まれる方々は栽培から手掛けられています。
ヒメガマは軽く、油分を含むので防水、保湿性に優れています。
もとは兵糧(ひょうろう)を運ぶための”背負いかご”が起源とのこと。かつては雪靴なども作られていたそうです。
ヒメガマと、もうひとつの材料であるのがシナノキという木の皮の繊維です。
シナノキの木の皮のことを産地の皆さんは「ヤマカゲ」と呼んでいます。
このヤマカゲは川につけて、発酵させてから、
木の年輪にそって薄くはがしていくそうです。
発酵させるため、乾燥させるまで
「ヤマカゲはにおいがきっついのよ~」と
笑いながら話してくださる作り手の皆さん。
とても楽しそうなのが印象的です。
その中でもこちらは蒜山がま細工のオリジナルとも言える
背負いかご、通称「こしご」です。
このこしご、背負ってみますと、軽さにまずびっくりします。
そして、がま特有の柔らかみで背中にぴったりとフィットします。
こしごが体に沿ってくっつくことで、
肩など体の一部に重みが偏ることなく、軽やかに背負えます。
600年以上前にお米などの重い兵糧を運んでいたとしたら、
最適な材料と形状だったはずで、「なるほど」と合点のいくかごです。
素材が柔らかく、衣類を傷つけにくいのもうれしいところです。
「丈夫で、軽い」はかごの基本だと思いますが、
このがま細工においても、「ヒメガマ」と「ヤマカゲ」
それぞれの素材の特性を生かしながら、それを忠実に実現しています。
油分が放つ光沢が艶やかでさっぱりした乳白色。
かご自体が軽いので、荷物をあれこれ入れても軽やかに持てそうです。
そのシンプルなデザインは昔と変わらず、
実用的かつ洗練された佇まいで、
じわりと趣きを感じさせてくれます。
鳥取県と裾野を分ける岡山県蒜山(ひるぜん)地方には、
今からおよそ600年以上前から伝わる「がま細工」があります。
漢字で「蒲(がま)」と書くこの植物は、地名などにも使われているようにとても身近な植物で、北海道から九州地方まで広く分布しています。
蒲鉾(かまぼこ)や蒲焼(かばやき)という言葉も、がまの穂の形が特徴的(大きなソーセージのような形)であり、その形状にそれぞれが似ていたため、その名がついたそうです。
蒜山がま細工では「ヒメガマ」という種類を使用し、今でも暮らしの道具が作られ続けています。
本来ヒメガマは湿地に自生するものですが、
こちらのがま細工を編まれる方々は栽培から手掛けられています。
ヒメガマは軽く、油分を含むので防水、保湿性に優れています。
もとは兵糧(ひょうろう)を運ぶための”背負いかご”が起源とのこと。かつては雪靴なども作られていたそうです。
ヒメガマと、もうひとつの材料であるのがシナノキという木の皮の繊維です。
シナノキの木の皮のことを産地の皆さんは「ヤマカゲ」と呼んでいます。
このヤマカゲは川につけて、発酵させてから、
木の年輪にそって薄くはがしていくそうです。
発酵させるため、乾燥させるまで
「ヤマカゲはにおいがきっついのよ~」と
笑いながら話してくださる作り手の皆さん。
とても楽しそうなのが印象的です。
その中でもこちらは蒜山がま細工のオリジナルとも言える
背負いかご、通称「こしご」です。
このこしご、背負ってみますと、軽さにまずびっくりします。
そして、がま特有の柔らかみで背中にぴったりとフィットします。
こしごが体に沿ってくっつくことで、
肩など体の一部に重みが偏ることなく、軽やかに背負えます。
600年以上前にお米などの重い兵糧を運んでいたとしたら、
最適な材料と形状だったはずで、「なるほど」と合点のいくかごです。
素材が柔らかく、衣類を傷つけにくいのもうれしいところです。
「丈夫で、軽い」はかごの基本だと思いますが、
このがま細工においても、「ヒメガマ」と「ヤマカゲ」
それぞれの素材の特性を生かしながら、それを忠実に実現しています。
油分が放つ光沢が艶やかでさっぱりした乳白色。
かご自体が軽いので、荷物をあれこれ入れても軽やかに持てそうです。
そのシンプルなデザインは昔と変わらず、
実用的かつ洗練された佇まいで、
じわりと趣きを感じさせてくれます。
鳥取県と裾野を分ける岡山県蒜山(ひるぜん)地方には、
今からおよそ600年以上前から伝わる「がま細工」があります。
漢字で「蒲(がま)」と書くこの植物は、地名などにも使われているようにとても身近な植物で、北海道から九州地方まで広く分布しています。
蒲鉾(かまぼこ)や蒲焼(かばやき)という言葉も、がまの穂の形が特徴的(大きなソーセージのような形)であり、その形状にそれぞれが似ていたため、その名がついたそうです。
蒜山がま細工では「ヒメガマ」という種類を使用し、今でも暮らしの道具が作られ続けています。
本来ヒメガマは湿地に自生するものですが、
こちらのがま細工を編まれる方々は栽培から手掛けられています。
ヒメガマは軽く、油分を含むので防水、保湿性に優れています。
もとは兵糧(ひょうろう)を運ぶための”背負いかご”が起源とのこと。かつては雪靴なども作られていたそうです。
ヒメガマと、もうひとつの材料であるのがシナノキという木の皮の繊維です。
シナノキの木の皮のことを産地の皆さんは「ヤマカゲ」と呼んでいます。
このヤマカゲは川につけて、発酵させてから、
木の年輪にそって薄くはがしていくそうです。
発酵させるため、乾燥させるまで
「ヤマカゲはにおいがきっついのよ~」と
笑いながら話してくださる作り手の皆さん。
とても楽しそうなのが印象的です。
その中でもこちらは蒜山がま細工のオリジナルとも言える
背負いかご、通称「こしご」です。
このこしご、背負ってみますと、軽さにまずびっくりします。
そして、がま特有の柔らかみで背中にぴったりとフィットします。
こしごが体に沿ってくっつくことで、
肩など体の一部に重みが偏ることなく、軽やかに背負えます。
600年以上前にお米などの重い兵糧を運んでいたとしたら、
最適な材料と形状だったはずで、「なるほど」と合点のいくかごです。
側面の編み目はすだれを編むような道具で作るため、シンプルかつ素朴です。
がまの茎を5枚ほどむいて芯に近い部分を使います。肉厚で弾力のあるがまが縦に並びます。
この縦に走るがまを結びながら横に走っているのがヤマカゲです。乾燥させたものは特ににおいはありません。
側面を編んでから、そこに底面を編みつけるため、底の縁は細かい編みになっています。
ご自身たちで栽培から乾燥などの下処理まで丁寧に行っています。がまが持つ、適度な油分から放つ光沢と艶やかさには見とれてしまいます。
縁は見事に段差なく、実に滑らかに、そして、きれいに織り込まれています。
上から見てもその仕上がりの丁寧さが伝わってきます。
肩に当たる部分の肩紐はがまを三つ編みにして作っています。
肩紐がかごから外れないように作ってあるガイドの部分です。縁にリングを作り、そこに通すことで肩紐のずれを防いでいます。
そのガイドのリングにも負荷がかかるため、縁だけでなく、中段の編み目にまで縫い付けています。
底部分まで見ていただくと、ぐるっと肩紐が底面まで通っていることがわかります。ここにも紐がずれないようガイドのリングがついています。このあたりに通っている縄はヒメガマとシナノキを合わせてよったものです。
そして、基本はかた結びとちょうちょ結びで結んであるため、それをほどくことで、肩紐の長さは調節ができるようになっています。
上の肩紐2本の先端がリング状になっていて、下からくる縄2本をそれにひっかけてから結ぶという形です。
底はきっちりと編まれている上、内側と外側で二重に編まれているため、ある程度重いものを入れても、底が抜けにくい作りになっています。
スッと肩紐に腕を通すことができます。肩にかかる感覚もやわらかく、締めつける感じはありません。
背中に当たるこしごの感触もやさしく、少量の荷物であれば、背負っていることが気にならないほどの軽やかさです。
素材が柔らかく、衣類を傷つけにくいのもうれしいところです。
「丈夫で、軽い」はかごの基本だと思いますが、
このがま細工においても、「ヒメガマ」と「ヤマカゲ」
それぞれの素材の特性を生かしながら、それを忠実に実現しています。
油分が放つ光沢が艶やかでさっぱりした乳白色。
かご自体が軽いので、荷物をあれこれ入れても軽やかに持てそうです。
そのシンプルなデザインは昔と変わらず、
実用的かつ洗練された佇まいで、
じわりと趣きを感じさせてくれます。