210104-2 岩手県/すず竹 行李-こうり- 二番
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こちらは、すず竹で編まれた「行李 -こうり-」です。
かつては、衣類や身のまわりのものをしまう収納用のかごとして、
また、そのまま旅行や引っ越しの際に持ちはこぶ、運搬用のかごとしても重宝されていました。
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商品名にある「二番」というのは大きさのことで、
こちらはすず竹行李のなかでも、二番目に大きなサイズです。
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かごの「身」と「ふた」。
このように2つのかごからなる“ふたつきのかご”は
身とふたの寸法を微妙に調整しながら、その2つがちょうど良い具合に合わさり
開け閉めできるように仕上げるため、とても高い技術が必要とされます。
「あじろ編み」という伝統的な編み方で作られた、ふたつきかご。
こちらのような大きなサイズの行李から、小さなものでは「名刺入れ」のサイズまで、
かつては、大小さまざまなサイズを編まれる方々がいらっしゃいました。
いまでは材料不足と作り手の減少により、流通する商品としては
どのサイズも希少なものとなっており、とくにこちらの行李は、
弊店でも数年ぶりのご紹介となります。
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こちらは衣装ケースサイズで、大人が両手を広げてかかえるほどの大きさがあります。
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かごの身もふたも、基本はおなじ作りです。2つに分けて、それぞれを収納用のかごとしてつかうのも、良いかとおもいます。
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すず竹は真竹などの太い竹とはちがって、箸ほどの太さしかありませんが、その細くて華奢な素材から、このように大ぶりで丈夫なかごが作られます。
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そのすず竹を割り、さらに細くしたり下ごしらえをしたりという工程を経て、「あじろ編み」で仕上げられます。竹のひごは、ところどころ黒ずんでいたり茶色がかっていることがありますが、自然に色づいたものとしてご了承ください。
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岩手のすず竹細工は、このあじろ編みがベーシックな技法で、この編み方で伝統的に作られてきました。
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かごの縁には、芯としてかたい真竹のひごが通され、そのうえから籐-とう-がぐるぐると巻かれて固定されています。
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縁の角もなだらかなカーブを描いて、きれいに整った作りです。
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かごは深く、かなりの容量があります。なお、写真ではわかりずらいですが、かごの身、ふたともに、全体にすこしゆがみがあります。予めご了承ください。
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なにも物が入っていない状態で、ふたを閉めて中心をかるく手で押すとたわむほどの、しなやかさがあります。
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ですので、保管や運搬のときには、変形や破損をさけるため、こちらの行李のうえに物を置かないようお気をつけください。
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行李を裏から見たところです。
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ふたは、身のかごにかぶさるように閉まる仕様となっています。
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とくに使いはじめのうちは、ふたの開け閉めに固さが感じられます。ふたをすこし浮かせるようにしておくほうが、開けやすいかとおもいます。
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それでもお使いになっているうちに、だんだんと馴染んで開閉しやすくなってきます。
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もとは、日本の昔話にも出てくる「葛籠-つづら-」の、小形な簡易版のかごとして普及したという行李。このすず竹行李のほかにも、ほかの地域では柳行李-やなぎごうり-や籐行李-とうごうり-が作られていたといいます。
葛籠とは、そのむかしはツヅラフジという植物の蔓で編まれたふた付きのかごでしたが、江戸時代になると、竹やヒノキで編まれたかごの上から紙を貼り、漆や渋を塗って仕上げる形となりました。
こちらの竹行李の特徴は、とにかくその大きさの割にとても軽いということ。そして、しなやかで丈夫なため、丁寧に扱えば世代を越えて長く使いつづけることができます。
使い込まれた竹行李の、アンティークのような雰囲気もまた良いものです。
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クローゼットや、押入れ、天袋に。
季節ものの衣類や身のまわりのもの、
ふだんはつかわないような、たとえば冠婚葬祭用の小物や衣装などを入れて、保管するのに。
または、道具やおもちゃ入れなど、たっぷりの容量がいろいろなものを受け止めてくれます。
インテリアとしても存在感のある居住まい。
そのときどき、季節や時のながれによって、中に入れるものや用途を変えたり、
置き場所を変えたりしながら、ずっと寄り添うパートナーになることとおもいます。
行李を保管するときは、床よりも棚の上や二階など、
できるだけ高さのあるところに置かれることをおすすめします。
床に置いて保管するときは、すのこなどを敷いて風通しをよくすると良いです。
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すず竹はそのつやつやとした光沢、柔らかく弾力性に富んでいて
心地よい手触り、そして丈夫さがよいところ。
またその色味が、だんだんとあめ色に移り変わっていく、その表情の変化も楽しみのひとつ。
使いこんであめ色に変化してもなお、水洗いすると表皮が艶を帯びる、優秀な素材です。
長くお楽しみください。
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_岩手のすず竹細工_
岩手に生息する「すず竹」は、かご細工の素材としては、とくに強くてしなやかといわれ、
1000年以上も前から、丈夫で実用的なすず竹細工が営まれてきました。
しかし、2015年頃から数年にわたり、岩手各地ですず竹が一斉に枯れるという現象が起こり、
良質なすず竹を確保することが難しくなっているため、今や、すず竹細工は、より貴重なものとなっています。
この竹枯れは生体リズムであるとされ、寿命を迎えると小さく黄色い花を咲かせたあとに枯れてしまいます。
60年に一度とも、120年に一回ともいわれるこの竹枯れのあと、
あらたに若芽が竹細工につかえる背丈になるまでには10年、20年とかかるとも言われています。
この現象がおこるのは60年や120年に一回という長い周期のため、
長年、すず竹細工に携わってきた作り手の皆さんにとっても経験のない事態。
しかし、伝統的なかごやざる作りを絶やすまいと、山を丁寧に歩き、
通常の何十分の一の量しか取れないすず竹をつかい、製作を続けてくださっています。
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こちらは、すず竹で編まれた「行李 -こうり-」です。
かつては、衣類や身のまわりのものをしまう収納用のかごとして、
また、そのまま旅行や引っ越しの際に持ちはこぶ、運搬用のかごとしても重宝されていました。
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商品名にある「二番」というのは大きさのことで、
こちらはすず竹行李のなかでも、二番目に大きなサイズです。
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かごの「身」と「ふた」。
このように2つのかごからなる“ふたつきのかご”は
身とふたの寸法を微妙に調整しながら、その2つがちょうど良い具合に合わさり
開け閉めできるように仕上げるため、とても高い技術が必要とされます。
「あじろ編み」という伝統的な編み方で作られた、ふたつきかご。
こちらのような大きなサイズの行李から、小さなものでは「名刺入れ」のサイズまで、
かつては、大小さまざまなサイズを編まれる方々がいらっしゃいました。
いまでは材料不足と作り手の減少により、流通する商品としては
どのサイズも希少なものとなっており、とくにこちらの行李は、
弊店でも数年ぶりのご紹介となります。
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葛籠とは、そのむかしはツヅラフジという植物の蔓で編まれたふた付きのかごでしたが、江戸時代になると、竹やヒノキで編まれたかごの上から紙を貼り、漆や渋を塗って仕上げる形となりました。
こちらの竹行李の特徴は、とにかくその大きさの割にとても軽いということ。そして、しなやかで丈夫なため、丁寧に扱えば世代を越えて長く使いつづけることができます。
使い込まれた竹行李の、アンティークのような雰囲気もまた良いものです。
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クローゼットや、押入れ、天袋に。
季節ものの衣類や身のまわりのもの、
ふだんはつかわないような、たとえば冠婚葬祭用の小物や衣装などを入れて、保管するのに。
または、道具やおもちゃ入れなど、たっぷりの容量がいろいろなものを受け止めてくれます。
インテリアとしても存在感のある居住まい。
そのときどき、季節や時のながれによって、中に入れるものや用途を変えたり、
置き場所を変えたりしながら、ずっと寄り添うパートナーになることとおもいます。
行李を保管するときは、床よりも棚の上や二階など、
できるだけ高さのあるところに置かれることをおすすめします。
床に置いて保管するときは、すのこなどを敷いて風通しをよくすると良いです。
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すず竹はそのつやつやとした光沢、柔らかく弾力性に富んでいて
心地よい手触り、そして丈夫さがよいところ。
またその色味が、だんだんとあめ色に移り変わっていく、その表情の変化も楽しみのひとつ。
使いこんであめ色に変化してもなお、水洗いすると表皮が艶を帯びる、優秀な素材です。
長くお楽しみください。
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_岩手のすず竹細工_
岩手に生息する「すず竹」は、かご細工の素材としては、とくに強くてしなやかといわれ、
1000年以上も前から、丈夫で実用的なすず竹細工が営まれてきました。
しかし、2015年頃から数年にわたり、岩手各地ですず竹が一斉に枯れるという現象が起こり、
良質なすず竹を確保することが難しくなっているため、今や、すず竹細工は、より貴重なものとなっています。
この竹枯れは生体リズムであるとされ、寿命を迎えると小さく黄色い花を咲かせたあとに枯れてしまいます。
60年に一度とも、120年に一回ともいわれるこの竹枯れのあと、
あらたに若芽が竹細工につかえる背丈になるまでには10年、20年とかかるとも言われています。
この現象がおこるのは60年や120年に一回という長い周期のため、
長年、すず竹細工に携わってきた作り手の皆さんにとっても経験のない事態。
しかし、伝統的なかごやざる作りを絶やすまいと、山を丁寧に歩き、
通常の何十分の一の量しか取れないすず竹をつかい、製作を続けてくださっています。
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こちらは、すず竹で編まれた「行李 -こうり-」です。
かつては、衣類や身のまわりのものをしまう収納用のかごとして、
また、そのまま旅行や引っ越しの際に持ちはこぶ、運搬用のかごとしても重宝されていました。
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商品名にある「二番」というのは大きさのことで、
こちらはすず竹行李のなかでも、二番目に大きなサイズです。
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かごの「身」と「ふた」。
このように2つのかごからなる“ふたつきのかご”は
身とふたの寸法を微妙に調整しながら、その2つがちょうど良い具合に合わさり
開け閉めできるように仕上げるため、とても高い技術が必要とされます。
「あじろ編み」という伝統的な編み方で作られた、ふたつきかご。
こちらのような大きなサイズの行李から、小さなものでは「名刺入れ」のサイズまで、
かつては、大小さまざまなサイズを編まれる方々がいらっしゃいました。
いまでは材料不足と作り手の減少により、流通する商品としては
どのサイズも希少なものとなっており、とくにこちらの行李は、
弊店でも数年ぶりのご紹介となります。
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こちらは衣装ケースサイズで、大人が両手を広げてかかえるほどの大きさがあります。
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かごの身もふたも、基本はおなじ作りです。2つに分けて、それぞれを収納用のかごとしてつかうのも、良いかとおもいます。
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すず竹は真竹などの太い竹とはちがって、箸ほどの太さしかありませんが、その細くて華奢な素材から、このように大ぶりで丈夫なかごが作られます。
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そのすず竹を割り、さらに細くしたり下ごしらえをしたりという工程を経て、「あじろ編み」で仕上げられます。竹のひごは、ところどころ黒ずんでいたり茶色がかっていることがありますが、自然に色づいたものとしてご了承ください。
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岩手のすず竹細工は、このあじろ編みがベーシックな技法で、この編み方で伝統的に作られてきました。
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かごの縁には、芯としてかたい真竹のひごが通され、そのうえから籐-とう-がぐるぐると巻かれて固定されています。
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縁の角もなだらかなカーブを描いて、きれいに整った作りです。
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かごは深く、かなりの容量があります。なお、写真ではわかりずらいですが、かごの身、ふたともに、全体にすこしゆがみがあります。予めご了承ください。
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ですので、保管や運搬のときには、変形や破損をさけるため、こちらの行李のうえに物を置かないようお気をつけください。
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ふたは、身のかごにかぶさるように閉まる仕様となっています。
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とくに使いはじめのうちは、ふたの開け閉めに固さが感じられます。ふたをすこし浮かせるようにしておくほうが、開けやすいかとおもいます。
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それでもお使いになっているうちに、だんだんと馴染んで開閉しやすくなってきます。
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もとは、日本の昔話にも出てくる「葛籠-つづら-」の、小形な簡易版のかごとして普及したという行李。このすず竹行李のほかにも、ほかの地域では柳行李-やなぎごうり-や籐行李-とうごうり-が作られていたといいます。
葛籠とは、そのむかしはツヅラフジという植物の蔓で編まれたふた付きのかごでしたが、江戸時代になると、竹やヒノキで編まれたかごの上から紙を貼り、漆や渋を塗って仕上げる形となりました。
こちらの竹行李の特徴は、とにかくその大きさの割にとても軽いということ。そして、しなやかで丈夫なため、丁寧に扱えば世代を越えて長く使いつづけることができます。
使い込まれた竹行李の、アンティークのような雰囲気もまた良いものです。
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クローゼットや、押入れ、天袋に。
季節ものの衣類や身のまわりのもの、
ふだんはつかわないような、たとえば冠婚葬祭用の小物や衣装などを入れて、保管するのに。
または、道具やおもちゃ入れなど、たっぷりの容量がいろいろなものを受け止めてくれます。
インテリアとしても存在感のある居住まい。
そのときどき、季節や時のながれによって、中に入れるものや用途を変えたり、
置き場所を変えたりしながら、ずっと寄り添うパートナーになることとおもいます。
行李を保管するときは、床よりも棚の上や二階など、
できるだけ高さのあるところに置かれることをおすすめします。
床に置いて保管するときは、すのこなどを敷いて風通しをよくすると良いです。
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すず竹はそのつやつやとした光沢、柔らかく弾力性に富んでいて
心地よい手触り、そして丈夫さがよいところ。
またその色味が、だんだんとあめ色に移り変わっていく、その表情の変化も楽しみのひとつ。
使いこんであめ色に変化してもなお、水洗いすると表皮が艶を帯びる、優秀な素材です。
長くお楽しみください。
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_岩手のすず竹細工_
岩手に生息する「すず竹」は、かご細工の素材としては、とくに強くてしなやかといわれ、
1000年以上も前から、丈夫で実用的なすず竹細工が営まれてきました。
しかし、2015年頃から数年にわたり、岩手各地ですず竹が一斉に枯れるという現象が起こり、
良質なすず竹を確保することが難しくなっているため、今や、すず竹細工は、より貴重なものとなっています。
この竹枯れは生体リズムであるとされ、寿命を迎えると小さく黄色い花を咲かせたあとに枯れてしまいます。
60年に一度とも、120年に一回ともいわれるこの竹枯れのあと、
あらたに若芽が竹細工につかえる背丈になるまでには10年、20年とかかるとも言われています。
この現象がおこるのは60年や120年に一回という長い周期のため、
長年、すず竹細工に携わってきた作り手の皆さんにとっても経験のない事態。
しかし、伝統的なかごやざる作りを絶やすまいと、山を丁寧に歩き、
通常の何十分の一の量しか取れないすず竹をつかい、製作を続けてくださっています。